2014年10月25日土曜日

オプションスプレッド研究

前回のブログ記事の下の損益図の改良型です。
相場が緩やかに上昇すれば大きな利益、大幅下落でもマイナスにならない点は同じですが、SQ日まで方向性が乏しくあまり値動きのない相場になったとしても、ある程度利益を確保できるスプレッドを考えてみました。







これは2種類のスプレッド戦略を組み合わせたもので、プット側では少し工夫して、外側の売りポジションのさらに外側に買いを持っているため、万一暴落が来たとしても損失は限定され、トータルでプラスになります。SQ値が16000~16500の間に入れば最高利益、損益分岐点は16707円で、予想に反して大幅上昇しそうなときのみ外側コール売りの損切り・スライドで対処します。なお今回紹介した例は、ちょっと期間の長い12限月のオプションでシュミレートしています。

売買する権利行使価格を変えればほぼ無限に近い組み合わせが可能です。オプションのスプレッド研究はEAの開発やパラメーターの最適化とはまた違ったおもしろさと可能性がありますね。

2014年10月18日土曜日

オプションシュミレーター

日経225オプションでスプレッドを組んだ際、満期(SQ)時にどのような損益になるか視覚的に表示できるツールがあれば便利ですね。ネットで探したところ、フリーで利用できるサイトを見つけたのでいろいろスプレッドを組んで損益をシュミレートしてみました。

オプションは相場の状況に応じていろいろな売買戦略を取ることができ、たとえば相場がほとんど動かなくても、あるいは予想が外れて少々原資産の価格が逆行しても利益にできる場合があります。



今月は日経平均株価が急落して、先行きに弱気な見方が広がっていますが、ファンダメンタルズ的には絶好の買い場かもしれません。年末にかけて再び上昇すると予想するなら下のスプレッドが一例です。12月のSQ日に日経平均株価が16500~16750円の間で最高利益となり、17128円が損益分岐点です。このスプレッドなら思惑がはずれてたとえ日経平均が大きく下落してもプラス収益になってしまいます。







このように、幅広いレンジで利益にできるオプションは他の投資手法にはない優位性がありますので、使えるようになれば収益機会が増えますし、メインで行っている投資手法のリスクヘッジにも利用できます。
(投資信託でもオプションを組み入れたタイプのものがあります)

絶えず変化を続ける相場で勝ち続けるには、多様な戦略で勝負できるオプションは大きな武器になります。まずはオプションシュミレーターでいろいろ試してみて、損益の特徴を理解することが収益をあげる早道であるといえるでしょう。

Option Model

2014年10月11日土曜日

日経平均株価の値幅分析

日経225先物・オプションを売買する上で、日経平均株価が前日比や一週間にどれくらいの値幅で動くか統計的に知っておくことは重要です。
そこで日経平均株価の度数分布を調べ、100円間隔でヒストグラムを作成してみました。










 図のように過去1年間終値が前日比で300円以上動いた回数は30回で、1年間の営業日245を30で割ると8.17、統計的に1ヶ月に2~3回大きく動くという頻度です。

次に日経平均が一週間にどれくらいの値幅(高値-安値)になるか過去5年間の度数分布を調べ、以下のようなヒストグラムを得ました。










このように、株価の値幅と頻度を統計的に知っておくと、売買判断の材料になり、無駄な売買を控えて冷静にチャンスを待つことができやすくなります。
来年日経225オプションは満期日が月1回から毎週に変更され、さらに利便性が良くなるので、今回の分析結果を役立てたいと思います。

度数分布分析はExcelとヒストリカルデータがあれば、通貨など他の投資対象でも応用可能なので、システムを作ることができなくても実践してみる価値はあるといえます。

Excel でヒストグラムツールを使用する方法

2014年10月5日日曜日

投信の長期パフォーマンス

現在約4500本存在する国内投資信託のうち、長期(10年以上)の運用実績を持つ投信の過去の実績を調べ、様々な相場局面におけるパフォーマンスの推移を把握しておくことは、継続して運用する上で参考になります。

そこでモーニングスター投資信託ファンド検索で各カテゴリーの代表的な投信について過去10年の実績を調べてみました。








表のように株式とREITは標準偏差(変動)が大きく、年によって資産が半分以下になったり2倍近く増えたりするケースがありました。一方、債券は2008年のような相場でも比較的下落は小さく、株式やREITが苦戦する相場でもダメージが小さい傾向があります。また債券は年単位の勝率が比較的高く、下落後の資産の回復も早いので安定したパフォーマンスが見込めそうです。

NISA口座で運用する場合、現行の制度ではマイナス収益ではメリットがないため、最終的にプラス収益になる可能性が高い債券中心のポートフォリオを構成するのがよさそうです。また株式やREITは通常は比率を小さめにして、大きく下落した後の回復局面を狙いたいところです。

あと、投信は国内小型割安株、海外高配当株、インフラ関連、○○国債券など特定のテーマに特化したものや、さらに通貨選択型、ブル・ベア型、カバードコール戦略採用といったものがあり、資金の少ない個人投資家でも多様なポートフォリオを構成できる点が魅力です。さらに投信の毎月の運用レポートが裁量トレードの参考になったり、メタトレーダーのチャート分析が通貨選択型投信の買うタイミング判断に使えたりと投資全体で相乗効果もあります。約10年の投資経験を生かし、余剰資金を有効活用するため今後は投信運用に力を入れていこうと考えております。